文化祭

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生徒会室の前に着き、 『今日は提出するだけだから、ここで待ってて』 って言ってドアを開け虹朗が中へ入って行った。 開けた時に室内に背の高い男子生徒の後ろ姿が目に入った... でもすぐにドアが閉まる。 オレは廊下の壁に凭れ生徒会室のドアを見つめる。 なんとなく不安を感じながら待つ。 書類を提出するだけ・・・そう言ってたのに5分経つ。 オレはドアに手を伸ばし 少しだけドアを開けた。 中から話し声が聞こえ覗き込む。 虹朗はドアに背を向けて立っていた。   虹朗と向かい合いオレの方に向いて立っている副会長の北川と目が合った。 北川の視線はオレから動かない ジーっとオレを見る。 虹朗と話しているのに 目はオレを見ていて、その目が笑っているように感じた。 「...バレたら困るだろ。 なー」 (・・・?) 何の事だが解らないけど そう言うと北川はオレを見ながら虹朗を抱き寄せた。 ムカッと一気に頭に血が昇る。 だけど、 虹朗がその腕を払おうともしないで突っ立っている。 それを見て心臓がバクバクして、 全身の血が沸騰する。  左手に拳を作り右手で勢いよくドアをバーンって開けた。 オレが虹朗の肩を掴むのと虹朗が振り返るのが同じタイミングで バランスを崩した虹朗の体が横へ崩れ落ちる。 危ない!って思った時には北川の腕が虹朗の体を支えた。 一瞬 固まったオレ。 『 ...涼 待ってろって言っただろ』 虹朗がオレを見て言った。 (へ?) オレは虹朗のその言葉を聞いて生徒会室を飛び出していた。 訳が分からず虹朗を置いたまま 鞄もそのままで学校を飛び出した。
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