オレが1番だ。。

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オレはケタケタと笑って涼の腹をグーで殴り見上げる。 涼はちょっと苦しげに息を吐く。 『うそつけ、オレのパンチがそんなに痛い訳無いだろ』 って言うとオレの頭を右腕で抱え込みホールドする。 頭の上で「オレに逆らうな、オレだけを好きでいろ...」 そう言って涼が腕に力を入れる。 『痛いよー 涼』 涼の腕を叩いて降参と両手を上げる。 離された頭。 『酷いな』って言ってプィっと横を向くオレ。 オレの頭に手を伸ばし乱れた髪を直す涼。 瞳を上げ見えない頭のてっぺんを想像する。 自分で乱した癖にと思いながら 髪に触れる指が心地良くて涼に向き直り顔を見上げると 涼は口角を上げ微笑んでオレの右瞼にキスをした。 くすぐったくて目を閉じた。 「いいか?」 返事を待たずにワイシャツのボタンを2つ外し鎖骨に赤い印を付けた。 (あー ) いつもこうなんだよ。 涼はすぐにキスをする。 不安になるとオレの体の何処かに痕を残す。 こいつはオレのだと痕を残す。 それで涼が涼で居られるならオレはいいんだ。 「虹朗 もう教室に戻る?」 『片付いたから戻るよ もう昼休みも終わるしね。毎回オレにくっ付いて涼まで図書室に  来なくていいんだよ』 涼が居ると捗らないからって意地悪を言う。 涼はハイハイっていい加減な返事をし両手をポケットに突っ込み 早く行こうと胸でオレの背中を押した。  
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