オレが1番だ。。

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『涼 オレの後ろを歩くの止めてくれない・・』 「なんでー」 『後ろに居たんじゃ話づらいし・・顔が見えないだろ』 涼が右側に並び 「オレの顔が見たいんだな」って言って顔を覗き込む。 『そんなんじゃ無いよ。 話づらいって言ってるんだよ』 怒ったように口を尖らせる。 その顔を見て、 「怒ったのか」って。 「オレはそんな事では怒りませんけど」って言った。 オレは右手で涼の尻を叩き教室に向かって走り出す。 「ぃっ..てーなーっ」って、涼が追い駆けて来る。 廊下ですれ違った同じ委員会の女の子が 「委員長...廊下は走っちゃダメですよ」って笑って声を掛けてくる。 オレは振り向き、 「内緒、内緒」 と言って人差し指を唇に当てる。 後ろを走る涼を見ると声を掛けてきた女の子を物凄い顔で睨みつけた所だった。 はぁ、 なんて怖い顔をしてるんだ。 全く... きっとあの子 涼の凄んだ顔見て驚いただろうなーって 思ったら可笑しくなり 前に向き直り走りながら声を出して笑った。 息を弾ませ窓際の自分の席に座ると すぐに涼も音を立て座った。 「さっき なに笑ってたんだよ」って拗ねたように聞く。 それには答えず微笑む。 オレと涼の席は窓際で  1番後ろが涼でその前がオレの席。 ほんとーは席が決まった時、オレと涼の間に佐々木が居た。 でも涼が佐々木に虹朗と変わってくれと頼み込んで換えさせた。 そんな自己中な涼も好きなんだけど、 だからオレは佐々木に謝った。 こいつがクラスメイトに嫌われない様に謝った。
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