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地獄の沙汰は金次第っていう諺があるけれど、逆説的に考えればそれは天国行きたきゃ金を積めという風にも思える。というか今の僕にはそういう風にしか思えない。所詮人間だって経済の一部で財政の歯車でしかなくて、人の身体だって無数の札束を束ねて出来たような物なのだ。
だからきっと、今ここにいる俺は見る人が見れば無駄なく飼い殺せる家畜でしかなくて、またある人から見れば只の玩具なのだろう。
――尤も、ここにまともな"人"なんているはずが無いのだが――――
『それでは皆様、大変長らくお待たせしました!』
何処からか女の声が響いた。それと同時に目の前の鉄格子にかけられていた布切れが外され、暗いホール内が確認できた。同時にステージの中央にスポットライトが当たる。そこには司会者らしき女の姿があった。
『今宵もこのナイト・オークションにご入場していただきありがとうございます!「コスパに優れたどんな用途でも使えるお客様全員に納得していただける賞品の提供」をモットーに、今宵もマナーを守って入札してくださいますようどうかよろしくお願いします♪』
派手な金髪に露出度の高いコスチューム、そして頭上にぴょこんと兎耳を生やした女性は客席に向かって恭しく一礼する。
『さて、それではまず最初の商品を紹介していきたいと思います。まずはNo.0378!!』
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