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重苦しい気持ちで教室の扉を開けた。
クラスメイトが死んで一日が経過した。
両親にもそのことは伝わっていて、今日は学校を休むかと聞かれたが、わたしがいくことにした。
学校に来たくはなかったが、一人で家で過ごすのも不安だったのだ。
だが、やけにクラス内ががらんとしているのに気付いた。
もうホームルーム開始の十分前だ。この状態ならクラスメイトの半分以上は来ているのに、まだ数えるほどしか人がいなかった。
「よかった。琴音は来たんだ」
桃香がほっとしたように駆け寄ってきた。
「わたしはって……」
「結構休む子多いみたいだよ。衣美もね」
桃香はクラスの奥を指さした。昨日、あの少女に文句を言っていた常井衣美の姿はまだ空席だ。
あんなことがあったのだ。仕方ない。
わたしも来たくはなかったが、家に一人でいるのも嫌だった。
結局、学校に来るのを選択したわけだけど。
「でも、こんなに来なかったら、わたしたちの中から誰か殺されるんじゃないの?」
そう言ったのはロングヘアをなびかせた、井河真知だ。
彼女はクラス委員をしていて、成績もすこぶる優秀だ。
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