二日目

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 殺されるという状況下なのに、落ち着き払っているように見える。 「そうなの? だったらわたしも休めばよかった」  桃香は顔を引きつらせた。 「お前だけ逃げようってのかよ」  髪の毛を短く借り上げた奥居奎太が桃香を睨んだ。  彼が野球部に入っていることは知っている。 「そんなつもりじゃ。でも、休んだ子たちのほうが責められるべきでしょう。それなら、奥居君だって休めばよかったじゃない」 「部活があるのにそうそう休めるかよ」  彼は吐き捨てるように口にした。  それからぽつぽつとクラスメイトがやってきたが、結局クラスの半分ほどしかクラスメイトが来なかった。そして、ホームルームの開始の鐘が鳴り響いた。  また、彼女は来るのだろうか。  そう思ったとき、教室の扉が開き、彼女が現れた。  彼女はゆったりとした足取りで教室の中に入ってくると、クラス内を一瞥した。 「やけに今日は欠席者が多いわね」  彼女はそうしらじらしい口調で口にした。  彼女は口角をあげて微笑んだ。 「いいことを思いついちゃった」
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