二日目

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 彼女の足はすたすた教室の真ん中の列の三番目の席に向かう。そこにたのは髪の毛を肩で切りそろえた、平井愛実だ。 「あなた、今学校に来ていない人の全員の携帯の番号を知っているでしょう。だったら、みんなにメールを一斉に送りなさい。一番学校に来る人が遅かった人間が今日のターゲットだと」  彼女の言葉に教室が凍り付くのが分かった。  確かに彼女は顔が広いし、恐らくクラス中のメンバーの連絡先を知っているだろう。 「そんなメール送れるわけ」 「だったら、あなたが今日、今ここで死ぬだけよ」  平井さんの顔が引きつっていた。彼女は携帯を取りだすと、何か文章を打っていた。  平井さんは彼女に携帯を渡す。それを見て、彼女が満足そうに微笑んでいた。 「今日はあなたたちが命拾いをしたわね」  彼女はそう言い残すと、教室を出て行った。  教室内の緊張が緩んだ。  教室の扉が開き、岡本拓哉が入ってきた。  彼は学校から歩いて五分ほどの場所に住んでいる。  彼は平井さんのところに来ると、彼女の机を叩いた。
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