第2章 旅立ち

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第2章 旅立ち

1週間経ってついにお別れの時。16時発と聞いていたので15時半には着くようにはした。品川駅の新幹線のホームの前にはひーくんがいた。 「今までありがとう」と彼が手紙を差し出した。それに私は驚いた。私も手紙を用意していたからだ。新幹線のホームの前で手紙の交換をした。 人はなくして初めてその人の大切さを知るんだろう。2人の目には涙が流れていた。 家に帰ってから読もうと思ったけど…トイレにも行きたかったのでトイレで読んでしまおうと思った。個室の鍵をかけ、ひーくんが書いてくれた手紙を読んだ。そこには「好きだけど別れよう、遠距離になったら寂しい思いもさせてしまう…だからそっけない別れ方をしてしまった。ごめんね。ゆうの事が大好きだから。また何年後かしてお互いに相手がいなかったらやり直そう」と書いてあった。涙が溢れた。こんなに涙もろかったっけって思えるくらい泣けてしまって、しばらくトイレから出られなかった。こんな風に想っていてくれたなんて。私達がどうなるかなんて、この先の事なんて分からない。もしかしたら長崎でひーくんは結婚してしまうかもしれない。私だって今の会社で良い人を見つけて結婚してしまうかもしれない。長崎で頑張って欲しい。
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