ズレた歯車

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高校に入学しても、これまでみたいに普通で平和な学校生活を送りたい…。 勉強したり、部活動に励んだり、友達と楽しい思い出をたくさん作ったり…。 そんな日々を。 それから、素敵な出会いもあるといいな…。 恋も…してみたい。 ほんわかした恋。 それが…高校に入学する前まで私が抱いていた、ささやかな夢…だったのに。 「はぁ……」 「こらこら!朝から盛大なため息をこぼしちゃダメよ。せっかく、新しい学生生活がスタートする日だっていうのに」 まどろみそうになる、春の暖かくて穏やかな朝。 玄関先で、お母さんに軽くおでこを突かれた私は、ツンッと口をとがらせた。 「すでに新学期は始まってるもん…。私も入学式に出て、みんなとスタートしたかったなぁ…」 「過ぎたことをいろいろ言っても仕方ないでしょ?あっリボンが曲がってる…。柚、ちょっと動かないで」
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