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…見間違い? いやでも確かに、改札の外には人がいた。その人が強引に、こちらから出ようとしたあの人のいる改札に突っ込んで来た。俺はそれをはっきりと見た。
でも、今この場にその誰かはいない。駅員も、いつも改札に引っかかるあの人も、あの人物について追及することはない。
結局どら地にも声をかけられず、俺はそのまま帰宅した。
そして翌日。
いつもの時間帯。周りが『懲りもせずに』とか『またかな』という視線を向ける中、あの人が改札に向かう。俺もなんとなくその姿を目で追ったら、夕べと同じ人影が、今度は改札の内側に立っているのが見えた。
あの人と同じタイミンクで改札に侵入し、結果、また改札が止まる。もうここの駅では日常茶飯事すぎて、駅員が事務的に対応し、あの人も淡々と去って行く。
でも、俺だけはもう、昨日の朝と同じ気持ちでその光景を見ることはできなかった。
あの人は、自分が改札にっ引っかかる理由を知っているのだろうか。
ただその疑問が渦を巻く。
もし、知らないなら。知ったことで何か解決策が見つかるなら。
今日は残業の予定はないけれど、今夜は昨日と同じ時間に駅に来ようと思った。
改札口…完
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