二億円の恋【６】

６

「桜ちゃんって仕事何してるの？」

「…今はしてないの。ニートまっしぐらでしょ」

「そうなんだ。仕事しなくても生活できるなんてすごいよ」

まさか隼斗さんに二億で買われただなんて、口が裂けても言えない。

麗奈ちゃんだっけ。居酒屋での帰りに隼斗さんに戻ってくるか聞いてたのを覚えてる。きっと、隼斗さんの事を特別な目で見てると思うし、そんな中余計な事を言うわけにいかないもの。

「貯金崩しながら生活してるんだけど、今働き口を探してるの」

「そうなんだ」

良かった。それ以上の事は聞かれずに済んでほっとした。

川に足をつけて遊んだりしている内に食事の用意が出来たみたいで呼ばれた。