恋まで……もうちょっと２

お昼のひととき

「ん……」

お弁当のからあげを食べさせるよりも、パンを食べさせてもらう方が、そんなに恥ずかしくないと思ってた。

けど……メロンパンを放り込まれて口を閉じる瞬間、瀬戸君の指も咥える感じで僕の唇に瀬戸君の指が触れてしまい、ちょっとドキッとしてしまう。

幸いにも、指は直ぐに離れていったけど、僕はドキドキしちゃったまま。

「美味しい？」

でも、瀬戸君はそんな僕の動揺に気付く訳でもなく、普通だったので、少しだけ落ち着く事が出来た。

「う、ん……」

メロンパンの味を聞かれてるけど、僕は一瞬だけ触れた瀬戸君の指の感触が気になって、よく分からない。

暫くして一度は逸らした目線を、再び瀬戸君に向ければ、瀬戸君はさっき僕の唇が触れた指を舐めていた。

メロンパンの表面についた、ザラメを舐めてるみたいだったけど……その仕草に、治まってたドキドキがぶり返してきてしまった。

「なぁ……優」

「え？　なに……？」

直ぐに視線を逸らしたら、タイミングよく瀬戸君に呼ばれて、ビクッとしてしまった。

僕が見てたの、気付いてない……よね？　なんて思いながら、再び口の中にあるメロンパンを咀嚼する。