お昼のひととき

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   「え? 俺……優が女の子だって、思ってねーけど?」 けれど、瀬戸君からは予想外な言葉が返ってきて、混乱する。 「ウソだ……」 「嘘じゃねーって。優は、なんでそう思ったんだ?」 「……だって、さっき瀬戸君……僕の胸、撫でてた。僕……女の子じゃないから、ぺったんこなのに……」 言いながら悲しくなって、また目が涙で潤む。 「あー、いやっ……それは、違うって! 俺は、ちゃんと優の胸だと思って触ってるし……」 「……分かんない」 僕だと思って触ってるって、どういう事? 「……まぁ、言っても分かんねーか。なら、ちょっと触らせて」 瀬戸君はそう言った後、僕と凭れていた壁の間に割って入ってきて、僕を後ろから抱き締める形をとった。 「瀬戸、くん?」 少しだけ不安な表情を浮かべながら瀬戸君を振り返ると、笑いながら「大丈夫だから」って言われてしまった。 そして、僕の胸元に再び瀬戸君の手が伸びてきて、今度は掌じゃなくて、親指でシャツの上から擦る様に触られた。 「な、に……?」 「優……感じる?」 触り方を変えても、僕の胸はぺったんこなのに……ますます分からなくなる。
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