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中学を卒業し、高校に進学しても、麻衣さんとのお付き合いは続いていた。
私と麻衣さんは、同じ高校に進学し、クラスは別々になってしまったけれど、同じ吹奏楽部に入部して毎日顔を合わせていた。
部活が終わると一緒に帰るのは、中学の頃と変わらなかった。
相変わらず麻衣さんは明るく活発で、私は麻衣さんから毎日元気をもらっていた。
私は、女性になりたいという気持ちが、ますます強くなり、麻衣さんに打ち明けていた。
するとある日、麻衣さんが私にこんな話をしてくれた。
「私の制服着てみる?」
私は、とても興奮して、心がときめいた。
麻衣さんは、両親がいない日に、私を自宅に招いてくれた。
そこで、まずは私の顔にメイクをしてくれた。
そして、男の子にしては少し長髪の私の髪にブローするため、ロールブラシやドライヤーを使って、少しふわっとした感じに髪をセットしてくれた。
幼い頃から、よく女の子に間違われていた私は、メイクやブロー後の自分の顔を見て驚いた。
麻衣さんも、
「ひろし君、きれい!」
と、驚きの表情をしていた。
次に、麻衣さんが高校の制服のスクールシャツ、リボン、スカート、ブレザーの一式を貸してくれて、私はそれを着てみた。
麻衣さんとは、身長がほぼ同じで、お互いにやせ形で体型も似通っていたため、麻衣さんの制服は私の体にピッタリだった。
制服を着た私を見て、麻衣さんは、さらに驚いていた。
「ぜんぜん男の子に見えない!」
私も自分の全身の姿を見て、まるで別人のように感じた。
麻衣さんは、さらに私に話しかけてきた。
「このまま外に遊びに行こうよ!」
さすがに私は恥ずかしかったが、麻衣さんが強引に誘うため、しぶしぶついていった。
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