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高校を卒業して、私は東京都内の大学に進学した。
麻衣とは別々の大学になってしまったが、麻衣の大学も東京都内にあった。
私と麻衣の不思議な関係は、続いていた。
お互いに理解し合い、助け合っていた。
いや、助け合っていたというより、いつも私が助けてもらってばかりだった。
私は、麻衣に対する恋愛感情はなかったが、私にとって麻衣は、なくてはならない大切な存在だった。
麻衣は、私のことを好きだと言ってくれていて、麻衣に対して恋愛感情を持つことができない私は、麻衣に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
この頃から、私は自分自身で女装するようになった。
メイクやブローの方法を麻衣から教えてもらい、自分自身でできるようになっていた。
大学には、男の子の格好で通っていたが、夜は女装することが多くなっていた。
20歳を超えた頃、私はアルバイトをするようになった。
ニューハーフパブである。
私は、女性ホルモンを摂取していないため、正確にはニューハーフではないが、パブの店長さんから認められ、アルバイトすることになった。
色白で産まれた時から女性らしい顔立ちをしていた私は、メイクをするとまったく男性には見えなかった。
また、身長は165Cmと男性としては、さほど背は高くないが、女性としては少し高い程度で、ほどよい感じだった。
さらに痩せ形の私は、ドレスを着るとモデルのように華やかになった。
私は、そのお店に勤め始めて半年も過ぎると、リピーターで私を指名してくれるお客様が多くなり、店内での指名獲得数1位になるほどだった。
このお店に勤め始めて、私の悩みは一層深くなった。
そう、女性ホルモンを摂取しようかどうしようかということである。
同じパブで働く女性は、ほとんどの人が女性ホルモンを摂取しているニューハーフである。
私が女性ホルモンを摂取したいと思うのは、このお店のニューハーフの方の女性らしい体型を見て、影響を受けたのである。
女性ホルモンを摂取すると、体型が丸みをおびてきて、胸が膨らんでくる。
しかし反面、女性ホルモンを摂取すると、副作用が起きる可能性があったり、海外の研究機関では、癌になる可能性があると発表されている。
しかし、もっと女性に近づきたいと思っている私は、リスクを負ってでも女性ホルモンを摂取したいと思っていた。
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