第1章

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どういう所を買いあさったかと言うと、飛び降り自殺で有名な団地、飛び込み自殺が多発する踏切、死亡事故は少ないが週に1回は事故が起きる交差点。 それに新宿や渋谷、池袋や吉祥寺などの繁華街に隣接する物件だ。 その結果数日に一回、事件や事故が設置した監視カメラに映ることになり、その度に警察から感謝状を貰うようになる。 「良いことじゃないか」 「そう、ここまではね。 動機を除けば人に自慢できる趣味と言えるのだが、………………問題は………………ここからなのだ」 この家の地下にある、監視カメラの映像が送られてくるモニタールームで、膨大な量の映像を眺めているときだった。 次々と切り替わる映像の中に、有名なアイドルグループのリーダーの女の子が映し出される。 彼女は連れの男性と抱き合い、キスを交わしながら俺の所有するマンションに入って行った。 この時俺の頭の中に、彼女らのSEXシーンを見てみたいという、邪な欲望が湧き上がる。 そして俺はその欲望を満たすため、所有する全ての物件の内部にもカメラを設置した。 交差点や踏切を監視するカメラが、道行く人達にも分かるように設置されているのに対し、内部に設置されたカメラは、部屋の住人には気が付かれないように、電灯やスプリンクラーに各種の防災警報機と共に偽装して設置。
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