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2 非日常への扉
静まり返る夜中2時。
俺は視界に光を感じて目を覚ました。
真っ暗の部屋でしか眠れない俺だから電気は消したはず。
意識が朦朧とする中発光源を目で探ると、脱ぎ捨てたズボンのポケットが光っていた。
「なんだ?」
身体を起こそうとするが怠くてなかなか動かない。
するとポケットの中から発光源であった、鍵がひとりでに出てきた。
あれは、あの路地裏で拾った鍵・・・?
宙に浮きこちらへ近づいてきた。
不思議と恐怖や驚きは無かった。
ぼうっと見つめていたら仰向けに寝ていた俺の胸にゆっくりと降りてきて、やがて胸の中へと入っていった。
完全に入った所で光は消え、元の真っ暗な部屋に戻った。
この異常な出来事を特に気に留めることなく再び眠りに着いた。
この日、俺は珍しく朝早く学校へと向かった。
特に次の刺激も考えてなかったから、やる事が無かったのだ。
「お、こーちゃん珍しく早いじゃん。」
「おう純平。やる事なくてな。」
「それって出在亜組倒し終わっちゃったから?」
「なんで知ってるんだ?」
純平は呆れた顔で答えた。
「そりゃわかるよ。昨日まで出在亜組って書いてあった大きな看板が、幸村組に書き換わってたんだから。」
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