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「・・・。」
純平は急に黙り込んでジッと見つめてきた。
「な、なんだよ。」
「昨日に比べて妙に熱心だねぇ、こーちゃん。」
「・・・刺激が無くてお手上げなんだよ。オカルト紛いの噂でも信じてみようと思ったのさ。それで、どんな鍵なんだ?」
純平に面白がられてるがそんなもの気にしていられなかった。
この答えによって噂がただの噂ではない可能性が高くなってくる。
「その鍵はね、無駄な程に豪華な装飾がしてある黒い鍵なんだってさ。」
・・・一致した。
昨日の晩、俺の胸の中へと入っていった鍵。
あれはデザイアゲームに繋がるものだったのだ。
「その鍵はどうやったら手に入るんだ?」
「・・・さあね。そんな事まではわからないよ。僕が知ってるのはここまで。」
「そうか・・・。今日は帰るわ。」
「えっ?折角珍しく朝から来たのに授業受けないの?」
背中を向けて掌をヒラヒラとさせた。
「全くこーちゃんは根っからの不良だな。・・・まあ授業なんか受けなくても誰もこーちゃんの頭には敵わないけどね。」
幸村と真田は物心つく前から一緒にいた。
いっつもなんでも出来てしまう幸村に嫉妬心を抱く事はあったが、今ではもう諦めが付いてしまうほどの天才だ。
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