2 非日常への扉

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あ、こーちゃんもう切った・・・。 方法教えてくれなかったし、もう会えないかもしれないのに。 まあこーちゃんらしいか。 方法は見つけた。 もう鍵は手に入れている俺がする行動は1つだけだ。 鍵がある、という事は扉を探さなければならない。 しかしその扉はある行動をしなければ現れることはない。 「一応書いとくか。」 置手紙に『旅に出る。』とだけ書いて家を出た。 向かった先は街で1番大きなビルの屋上。 「さて、これで本当に行けるのかな?」 柵を越えて屋上の淵に立った。 そして何の躊躇いもなく飛び降りた。 扉を出す為の行為。 それは、死ぬ事だった。 地面を見ながら頭から飛び降りた幸村は過去の記憶がフラッシュバックした。 小さい頃純平と遊んだ記憶。 同級生に才能を妬まれ虐められたが返り討ちにした記憶。 両親と遊んでいる記憶。 父親が出て行った記憶ーー。 これが走馬灯っていうやつか。 こうして見ると俺の人生薄っぺらいもんだな。 もしも扉が現れなくても悔いはない。 こんな退屈な人生なんて俺にはいらないから。 あ、純平に別れの挨拶くらいしとけばよかったかな。
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