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「あぁ、そういえば行方不明になった奴がいたって聞いた。そいつはデザイアゲームに行ったんじゃないかって噂になってたんだけど、お前の事か。」
怒っていた田中はやっとわかってもらえて多少冷静になり、メガネを中指でクイっと上げた。
「そう、その田中だ。」
2人の会話を黙って聞いていた美香が我慢を切らしたかのように口を開いた。
「どーでもいんだけどそんなこと。それよりもターゲットよ。何のことかしら?」
ターゲット、倒す、全滅。
この言葉を聞く限り弱くは無さそうだ。
退屈じゃなけりゃいいけどな。
玄関へ行くと何故か自分の靴が置いてあった。
外へ出るとやはりここは、森の中だった。
見渡す限り木々で埋め尽くされている。
全ての木には青々とした葉がびっしりと生い茂っており、地面には苔がポツポツと見受けられる。
「ちょっと、待ちなさいよ!」
遅れて2人も外へ出てきた。
「・・・どこかしら、ここ。」
「どこでもないんじゃないかな。僕らは死んでるんだから。」
現実の世界にしか見えないが、恐らくこの世界は作られた虚像の世界。
「そしたらここには俺たち3人と、ターゲットしかいないってことだな。」
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