2 非日常への扉

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僕は小さい頃に両親を亡くした。 両親の温もりは今でも鮮明に覚えている。 しかしあるとき事故で2人同時に失った。 叔父の家に引き取られた僕はひたすらに勉強させられた。 引き取ってやったんだから将来稼いで恩返ししろ。 保険金目当てで引き取られた僕は娯楽の1つも与えられず勉強、勉強、勉強勉強勉強勉強ーーー。 そこまでしても幸村に頭で勝てなかった。 如何にも馬鹿そうで、不良のあんな奴に。 だから諦めた。 何もかも。 そして求めた。 もう手に入ることは有り得なかったデザイアを。 両親の温もりを・・・。 覚悟を決めた田中はまだ見ぬターゲットを探し歩き回った。 気に入らない。 あの幸村って男。 何なのよ全く。 自分1人で全て出来るとでも考えてるのかしら。 はあ、健。会いたいよ。 健の方が何百倍もいい男。 何で死んでしまったの・・・。 私はこのゲームに参加するつもりは無かった。 愛する人を亡くして、後を追おうと彼を想いながら川へ身を投げたのに気付いたらここにいた。 どうせ死ねば健に会えたのに。 まあいいわ。 生き返って健も生き返らせてやる。
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