1人が本棚に入れています
本棚に追加
「通りすがりの高校生、幸村です。」
両脇から同時に組員に襲われたが、幸村は顔も向けずに両腕一振りで気絶させた。
「ただの高校生じゃないみたいだな。」
組長が机の裏に手を回した。
「組長、それはちょっと。」
「黙れ如月。」
組長は机の裏に隠していた銃を素早く構え引き金を引いた。
カンッ!
その弾は幸村の頬スレスレを通って後ろのドアに穴を開けた。
「子供相手にそんなもん出しちゃうんだ。」
「ふんっ。運のいい奴め。」
組長はすぐにまた銃を構え直したが、両隣の幹部が割って入ってきた。
「私共におまかせ下さい。」
2人とも木刀を握っている。
太刀筋を見る限り只者ではない。
剣道の有段者か?
まあそんなもの俺には関係ないけどな。
幸村へ向けられた一振りは虚しくも大きく空を斬った。
「いい音するねぇー。」
いつの間にか真横に幸村は立っていた。
「調子に乗るなっ!」
何度も斬りかかるが掠りもしない。
見かねたもう1人も斬りかかるが、2人がかりでも掠ることなく幸村に弄ばれた。
「そろそろ行くよー。」
「うおー!」
目にも留まらぬ速さで2人は幸村を挟み討った、という感覚はあった。
最初のコメントを投稿しよう!