1 日常

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「通りすがりの高校生、幸村です。」 両脇から同時に組員に襲われたが、幸村は顔も向けずに両腕一振りで気絶させた。 「ただの高校生じゃないみたいだな。」 組長が机の裏に手を回した。 「組長、それはちょっと。」 「黙れ如月。」 組長は机の裏に隠していた銃を素早く構え引き金を引いた。 カンッ! その弾は幸村の頬スレスレを通って後ろのドアに穴を開けた。 「子供相手にそんなもん出しちゃうんだ。」 「ふんっ。運のいい奴め。」 組長はすぐにまた銃を構え直したが、両隣の幹部が割って入ってきた。 「私共におまかせ下さい。」 2人とも木刀を握っている。 太刀筋を見る限り只者ではない。 剣道の有段者か? まあそんなもの俺には関係ないけどな。 幸村へ向けられた一振りは虚しくも大きく空を斬った。 「いい音するねぇー。」 いつの間にか真横に幸村は立っていた。 「調子に乗るなっ!」 何度も斬りかかるが掠りもしない。 見かねたもう1人も斬りかかるが、2人がかりでも掠ることなく幸村に弄ばれた。 「そろそろ行くよー。」 「うおー!」 目にも留まらぬ速さで2人は幸村を挟み討った、という感覚はあった。
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