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「・・・おい、如月!睦月!奴はどこだ!」
2人は同時に倒れた。
その手には木刀は見当たらない。
「こっちこっち。二刀流!」
組長が振り向いた瞬間、幸村の握る2本の木刀で首元を打たれ気を失った。
ふう、と一息ついた幸村は木刀を捨てビルを去った。
その後出在亜組は壊滅した。
代わりの看板として、幸村組という看板が立て掛けられたということは幸村も知らない話。
1つの組を壊滅させた、というよりは学校帰りにゲームセンターにでも寄り道したような雰囲気の幸村は帰りの家路を歩いていた。
結局、組と戦うことも幸村にとっては何の刺激も無く退屈だった。
「弱すぎだっての。」
次なる退屈しのぎを考えるので頭がいっぱいだ。
すると、急に雨が降り始めた。
前触れも無くバケツをひっくり返したような大雨だった。
「うわ、傘持ってねーや。」
走って雨を凌げる場所を探した結果、人気の少ない裏路地に辿り着いた。
投げ捨てられたタバコの吸い殻や空き缶などのゴミが異臭を放っている。
「臭っせーなー。・・・ん?なんだこれ?」
腐りかけのゴミの中に、不気味な程豪華なデザインで汚れ1つない黒い鍵が落ちていた。
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