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あれ以来歩と帰ることもなかった。隣のクラスだから見かけることは何度かあったし、廊下ですれ違えば挨拶くらいはするが、お互いに少し気まずさがあるのか、以前よりも距離ができたように感じた。選択や、合同での授業で一緒になることもあったが、タイミングが悪いのか喋ることがなかった。
だが俺はあの日からずっと気づけば歩が言ったことを考えていた。桜になりたいだなんて初めは冗談を言っているのかと思ったが、あのときの歩の顔は真剣だった。
帰ろうとメールまでしてきたのだから何か話したいことがあるのだろうとは思っていたが、あの後もまだ歩は自分の中に何かつかえているものがあるようだった。
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