帰り道の桜

5/5
前へ
/24ページ
次へ
歩と桜並木を歩きながらそんなことを思い出していた。 (いつかこの桜が歩のことを連れて行くのかもしれない) そんな変なことを考えて、自分で笑いそうになった。そんなおとぎ話みたいなことあるわけない。 「…おい、光?」 歩に呼ばれてはっとする。 「どうしたんだよ、俺の話聞いてた?」 「ごめん、ボーッとしてたわ。」 なんだよーと呆れたように歩が笑う。 桜並木を抜けて駅が見えてくる。いつものように改札を出て歩と別れ、電車に乗り込んだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加