桜の前

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歩と帰ってから一週間程経ったある日、日直だった俺は放課後日誌を届けるために職員室に向かった。 「おお、藤。いいとこにきたな。」 と担任の遠藤がニヤリと笑って言ってきた。嫌な予感がする。 「これな、3枚重ねて左上をホチキスでとめておいてくれ。」 嫌な予感は的中した。えーっと言いながら渋々プリントの入ったケースを受け取る。 芯はここにあるから、と遠藤は説明してどこかに行ってしまった。 (ついてない…もうすぐでゴールデンウィークだと浮かれていたのが悪かったのか。) 作業が終わり、できたプリントを渡しに遠藤を探しに行った。 「おう、ご苦労、ご苦労。これバイト料だ。気をつけて帰れよー。」 そう言われて紙パックのジュースを渡された。腹が空いていたので本当は食べ物の方がよかったと思ったが、くれるというものはありがたく受け取る。
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