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こちらに声が近づいてきたということはここに近づいているということ。
ここはトイレとホールをつなぐ廊下で、その角に私たちはいる。
なんて、そんなのはただの説明で、穂香ちゃんは既に私の前に来ていた。
この状態を見て動きを止めた穂香ちゃんは口を半開きにして微動だにせず。
「あ、えっと...」
状況が読み取れないのか
少し困惑した声
「ほ、ほのかちゃん!」
掴まれていた腕を彼も離して、私たちはお互いに一歩引くと、穂香ちゃんは私たちに近づいて目の前で止まると、私と彼を交互に見つめる。
「あのね、向こうで、話すね」
「え、あ、うん」
穂香ちゃんを方向転換させて、私たちの席に戻る。
去り際に頭を下げて、その場を離れた。
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