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ヒロシの書く文字はナオミしか読めない。日本語なのだが…。
ヒロシが尾張の領主になった時、松平元康に相談したところ、榊原康政を右筆に推挙してきた。
右筆は、ヒロシの代筆をするだけでなく、文書の取次を行う。機密情報にも触れるし、取次は権限にもなる重要な役である。
ある時、ヒロシが
「欲しい筆があれば与える。」
と声を掛けた。
康政「与えて頂けるのであれば、筆ではなく槍を与えて頂きとうございます。」
ヒロシ「右筆では不服か?」
康政「右筆をしておりますと、袖の下を断るのが面倒にございます。」
ヒロシ「欲の無い奴め(笑)。考えておく。」
康政「無欲無心で奉公に励みまする。」
此度、康政は酒井忠次から鉄砲隊を引き継いだ。「無」の一文字を旗印とした。
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