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最近世の中は荒れている。
DVだの不審者だの痴漢だの…。
一般的には男女共に危害を被るとされているが、実際のところ被害に合うのは女性が多い。
その他にも、女性に不利な事はまだまだ沢山ある。
私には正直、男性が何をしたいのか良く分からない。
それは多分、私自体が男嫌いであり、かつ女でいることを嫌っているからであって、私の勝手な思い込みであることは間違いないから気を悪くしないで欲しい。
そもそも、私がここまで男嫌いになったのには理由があった…。
3年前の春休み。
私は新しい環境に胸を踊らせ、朝の満員電車にも関わらず清々しい気持ちで乗っていた。
そんな清々しい気持ちの朝を壊されたのは、電車を降りた直後だった。
「ちょっと君さー、今暇?暇でしょ?俺たちに付き合ってくんね」
私に声を掛けてきたのは、金髪にピアスや茶髪のロン毛に刺青など…如何にもヤクザの様な人達だった。
「私今忙しいので」
そう言って手を振り払おうとしたら即座に平手打ちが飛んできた。
「聞き分けの悪い嬢ちゃんだな、自分の立場が分かってねえみたいだからこれからじっくり分からせてやるよ」
ヤクザの1人がそう言った。
流石に危機感を感じたが、私は怯えることはなかった。
私は脚を思い切り振り上げると、まず手を掴んでいた金髪の男の腹を蹴った。
「った!!」
男は腹を抱えて崩れ落ちた。
それを見て、血相を変えた仲間の男達が次々と襲いかかってきたが腕と脚で制し、誰1人として私に傷を負わせることは出来なかった。
ー柔道とか色々習っておいて良かったなあー
私はその場を去ろうとした、その時だった。
「女の癖に力強いとかゴリラだよな」
「マジありえねえ。あいつ実は男じゃねえの?キモ」
彼らの囁き声が聞こえてきたが、私は静かにその場を去った。
私は、ナンパされて襲われそうになった事よりも、彼らに言われた言葉の方が何倍もショックだった。
ー女は強くなっちゃいけないの?ー
世の中は、自然と男性はこうで女性はこう、と考え方が浸透してきている。
だからこそ、仕方が無いことだってある。でも、本当にそれで終わらせてしまって良いのだろうか…。
それから私の男嫌いは始まったのだった。
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