出会い

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爽やかな空、爽やかな校舎。 そんな清々しい朝の陽気の中、そぐわない要素が1つ。 「汗臭くない?」 私は傍にいる友人に向かって問いかけた。 「仕方が無いよ刹那、男子が体育でサッカーだったんだから」 申し遅れたが、私は安藤 刹那(あんどう せつな)、隣にいる友人は佐々木 冴子(ささき さえこ)。 「折角の朝の気分が台無しじゃない」 「ほんと刹那って、男子が関わると五月蝿いよね」 「悪かったわね!男嫌いで!」 そう、私は大の男嫌いで正直同じ空間にいることすら不快感を持つほど重症だった。話したり触れたりするなどもっての外だ。 「よくそんなで今までやってこれたよね、不思議だわ」 1度女子校に行くことも考えたが、共学の方が安く、親の許可が得られなかった。 「新学期早々悲しい話題はやめようよ。まあ取り敢えず、今年も冴子が一緒で良かった」 とは言っても、クラスの大半の顔ぶれがあまり変わっていないので新鮮味も何もないのだが…。 「今年こそあんたは男嫌い克服しなよ、でないと将来困ったことになるよ」 冴子は私の幼馴染みでもあり、面倒見が良く優しくて結構モテる。 「私だって好きでなった訳じゃないし」 そう私が呟いたのと同時に、 始業のチャイムが鳴った。 「全員席につけ」 新しい担任が出席をとっていく。 「逢坂ー、逢坂は休みか?」 担任は名簿を睨みつけながら言った。 そう言われれば私の前の席が1つ空いている。 「いないな、次ー。安…」 担任が私の名前を言いかけた時、突然教室のドアが開いた。 「先生、逢坂休みじゃないです。います」 そう言って入ってきたのは茶髪に眼鏡をかけた、真面目なのかそうじゃないのか良く分からない男子だった。 ちなみにかなり顔が整っている。 「逢坂。新学期早々遅刻とはいい度胸してるじゃないか」 「すんませんー、猫助けてたので」 「冗談はいいからもう座れ」 担任は彼の言葉を軽く受け流した。 彼もその事について深く追求する気は無いらしい、静かに席に座り本を開いている。 「…。以上、HRは終わりだが逢坂!後で職員室に来るように」 そう言って担任は去って行った。
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