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桜姫が世界樹から帰ってこなくなって三年が過ぎた。
奏達は相変わらず英雄として活動を続けている。
友人達も未来に向かって歩み出しており、少し寂しさを感じる。
「未来、かぁ…」
夢が無いわけじゃない。
かといって夢は夢のままであって欲しい。
俺は桜姫によって不老不死になってしまっていた。
桜姫は何を考えて俺を不老不死にしたのだろうか…親友でもわからない。
推測ではあるけど桜姫は無意識の内に寂しさを感じて俺を不老不死にしたんだと思う。
あいつ、平気そうに振る舞っているけど寂しがり屋だしな。
「アキラおじさん、行ってきます」
「おーwwwシークいってらwww」
シークはあの日からあまり笑わなくなった。
そして毎日毎日強くなろうと鍛錬している。
世界樹からパパを助け出す為に。
そんなシークは今学園の初等部に入学し通っている。
成績はいつもトップだけど友達はいないらしい。
強くなる事に夢中になりすぎて大事な事を見落としているのだろう。
それを俺が言う資格があるのかわからないから言えずにいる。
「晃ー、暇なら掃除手伝えよー」
「えーwww俺これからギルド行くしwww」
迅が掃除のオバチャンコスチュームで何やら言ってくるが俺はこれからギルドで稼いでくるつもりなので断っておく。
真面目に働くよりギルドで魔物退治だとかしていた方が俺には合っているのかもしれない。
働きたくないでござる。
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