英雄は静かに暮らしたい

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次に移動した場所は天の柱と呼ばれる古代遺跡。 頂上は雲より高く、星が良く見える為時々先輩と来る。 「ここなら静かだね」 「…ですね」 俺達に酸素だとかはあまり関係ない。 だからこそこういった場所に気軽に来れる。 「…先輩は向こうの事、まだ覚えてます?」 「奏君がテレビで表彰された時の事?」 あの時、俺は先輩を守るついでに各国の主要人物達も守ってしまった。 そのせいで俺は世界的に名前を、素顔を晒す羽目になり今みたいに騒がしい日々を送る事に。 それと同時に研究者に狙われたりと本当に騒がしく忙しい日々があった。 結局その後に細工をして静かに暮らせるようになったけど。 「…英雄って、何なんですかね」 勝手に人に好まれ、勝手に恐れられる事になり、勝手に期待して、勝手に裏切られたと怒り出す。 そういえば以前晃が「期待って言葉は諦めからくる言葉なんだよwwwwwwうはwww俺データベースwww」なんて言っていたっけか。 「私達には似合わない称号だよね」 先輩は二人用の木の椅子を創り上げ、先輩と俺はそこに座る。 「…世界を守らねば先輩は幸せになれない。仕方の無い事とはわかってるんですけどね」 「ごめんね」 先輩は生き物が死ぬのを酷く嫌う。 魔物も同じように生き物だからあまり殺さないようにしている。 今回の事件は先輩にとって辛い事だったと思う。 でも世界の為だから仕方なかった。 「本当の英雄はおーくんだよね。きっと今も世界樹の中で戦ってる」 「…でも、今回の件の元凶はあいつの本体らしいですけど」 「おーくんに罪はないよ」 「わかってます」 俺達は無神とかいう神に振り回されただけに過ぎないのだろう。 桜姫が今その尻拭いをしている真っ最中というのも桜姫自身にも迷惑な話。 「…とりあえず、あいつが帰ってくるまでは世界を守りますか」 「そうだね」 静かに暮らしつつ世界を守る。 地球にいた頃とあまり変わらない気がするが気のせいという事にしておこう。 「暫くはここが家ですかね」 「だねぇ」 この後無茶苦茶愛し合った。
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