513人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
1日が終わるのを
こんなにも心待ちにしているのは、
いったいいつぶりだろうか。
思わずそんなことに
気付いてしまうほど
私の頭と心はからっぽで、
そして手先も
止まっていた。
正直私の
することといえば
このフロアの管理と監督で、
データの打ち込みや
下調べは後輩たちの仕事だ。
私はそれらを確認して、
他部署や上との
連携を取るだけ。
──だけ、
といってもそれくらいの
技量と神経を手に入れるのに
数年かかることは、
私がこの身をもって
実感しているけれど。
「おつかれさまでーす!」
ぼんやりしているうちに、
後輩たちの声が響いて
ハッと顔を上げた。
「あっ、
お……お疲れ様……」
.
最初のコメントを投稿しよう!