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episode191 回生
「和樹坊ちゃま、お帰りなさいませ!」
「やあ、満くん。君こそお帰り」
一連の人には言えない荒療治を経て
ようやく正気を取り戻した僕は。
「で君、どこに行ってた?」
「何言ってるんですか。僕を追い出したのは坊ちゃんのくせに」
「そうだったっけ」
「坊ちゃん、もう大丈夫なんですか?」
「僕が大丈夫かって?」
パリッとフェンディのシャツを着て
再び天宮の屋敷へ戻っては来たのはいいけれどけれど――。
「知ってるだろ。僕が大丈夫な時なんかない」
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