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その日も何時ものように、バーン達と一緒に寮から学園に向かって居たんだ。
そして、何時ものように下駄箱の、前に立って溜息を一つ。
何だか、エスカレートしてないか?
僕は、自分の下駄箱を守るように魔法陣を仕込んでいたんだけど、僕の上下左右の靴箱が凄い事になってる。
いやね、どうやら僕の靴箱を何とかして開けようとしたのかな?でも、それが出来なくて周囲に影響が出てるって事かな?
僕は自分の魔法を解除して靴を交換すると、再び魔法を掛ける。
そして、同時に上下左右の靴箱にも浄化を掛ける。
「相変わらず見事だな」
呆れたと言った表情で言うジェム。
「ホントだよねー。器用な魔法の使い方するよねー。感心するなー」
感心するように男前な言い方をするシリル。相変わらずの話し方だよね。
「しかし、段々酷くなってねえか?このまんまで良いのか?」
渋い表情で言うバーンに、同意するように頷く二人。
「そうだよなあ。ずっと、好き勝手させとくのか?舐められっぱなしってのも、悔しくねえのか?」
ジェムの言葉に、頷く二人。
「大体さあ。実力でもこうした事でも、エルに勝てる訳無いんだからさあ。諦め悪いんだよなー。ホントにさあ。私達も気分悪いんだよなあー」
不機嫌な表情で言うシリルに僕は苦笑した。
「まあ。僕の事で怒ってくれるのは、嬉しいけど・・・・僕は、困って無いから。ね?」
僕の言葉に、本気で呆れたって表情になる三人。
その時、声が掛かった。
「やあ。エラール君。また、仕掛けられてたのかい?」
カリスト君だ。久しぶりな気がする。
「よう!カリスト。家の方はもう良いのか?」
ああ。そっか。家の用事で、少し里帰りしてたんだっけ。
カリストは困ったような表情で言った。
「ああ。実はね。幼い時から決められて居た許嫁に会って正式に結婚の申し込みをして来たのですよ」
「「「「ええええええ!!!!!」」」」
大体、貴族は幼い時から結婚の相手が決められている事が多いとは聞いていたけど、身近にそう言った人が居るとね。
だって、まだ僕達は16だよ?僕だけは15だけど。
16で結婚って出来ないわけじゃないけど・・・・・・ね?
「結婚って、お前・・・・・・」
掠れた声で言うバーンの様子にクス!っと笑ってカリストは言った。
「直ぐにでは有りませんよ!私が学園を卒業して正式に魔法使いになったら結婚して下さいって申し込みましたから」
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