69人が本棚に入れています
本棚に追加
「それでもだよ。良いのか?俺等は魔法使いになるんだ。寿命だって・・・・・・」
バーンの言葉に、頷いてカリストは言った。
「そうですね。でも、だからこそ。早くに多くの思い出を作って置こうと二人で話をしたのですよ。恐らくは・・・・・・私は、彼女よりもずっと長く生きる事になるでしょう。だからこそ、多くの思い出を作るべきと決めたんです。
イエスリート家は、私の血さえ残せば良いと思ってるでしょうからね。率先して危険に赴かなければならない私を早くに結婚させたがってましたから。
ちょうど良かったんです」
少し悲しそうに言うカリストに、皆、黙ってしまった。何だか分かる気がした。僕達は魔法使いの卵。魔法を使うから、寿命は大きく伸びる。
けれど、有能な魔法使いほど、危険な場所に赴く事が増える。そうなれば、必然的に死と隣り合わせの生活になる。
何時死ぬか・・・・・・その危険性を抱えながらの、生活になる事は明らかだ。
魔法使いとして生まれて来て、強い力を持ち合わせた以上、その力を世界のために使用する事は、最早義務。多くの犠牲者が出る以上、やむを得無いのだ。
その為の報酬も高く、例え、魔法使いが亡くなっても、かなりの報酬が支払われる事になり、家族の保証も手厚い物となっている。今、魔法使いは世界の命運を握って居るのだ。世界の為に、魔法使いはなくてはなら無い存在となっている。
だが、決定的に数が足り無い。何故か、魔法使いの数は減り続けて居るのだ。
理由?皆は、分からないって言うけど僕はなんと無く分かる気がする。
フリーダムとして活動して確信に変わった。確かに魔法使いは減ってる。だから、国は魔法使いを保護し始めたんだ。大事にし始めた。その為に、魔法を使えると言う事は特別な事なんだと言う意識が生まれた。
特別な存在・・・・・・それが、特権へと意識を変えるのにさほど時は必要としなかった。訓練よりも保護の方に向かってしまった。
そして特権意識へと変化ししてしまった為に、自分を特別な存在だと勘違いをしてしまったんだ。
それでもどうしても魔法使いは、魔物の討伐や魔獣の討伐に欠かせないのだ。
そして、最前線で関わるしかないのだが、自分が特別だと思い鍛錬を重ねていない魔法使いは早死にする事になるんだ。
それがきっと、魔法使いが減っている原因。
命を惜しむのに鍛錬を重ね無い。この矛盾。それが減少の原因。
最初のコメントを投稿しよう!