第44章:ひつじの正体

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「こらこら。ぼうや。ここは走っちゃだめだぞ」 腰を低くし、優しい声で話かけるドアマンに対し、近くのドアマンが慌てた様子で怒鳴りつける。 「あんた!その子は純一社長の息子だぞ。ぼうやだなんて呼ぶなよ!」 「えっ、社長の!?この子が・・・」 「あぁ、おぼっちゃまだ」 「それは失礼しました。おぼっちゃま」 頭を下げるドアマン。 そのときの優は、彼に驚かれたのは、単に、ドアマンが自分の存在を知らなかったからだと思った。 驚かれる理由は、『ほかに』あるとは思いもせず・・・
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