ないないお姉さん

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後日。 いつもの友人二人と、昼食を取っていた。 「ねえ、聞いた?ないないお姉さんの彼氏がバラバラになったって」 私は口に運ぼうとしていたご飯をお弁当の中に落とした。 「刑務所の中ででしょ」 「これは、もうないないお姉さんの呪いに違いないわ」 「こわ~い」とか言いながらまた二人は盛り上がっていた。私も二人に混ざるように「うん、怖いね」と言ってみた。 「あら、珍しい!いつもなら興味ないねとか言いそうなものなのに」 「うん、まぁ」 二人に便乗したとかではなく、私もその話を聞いた時、本当に怖いなと思った。彼女が幽霊だからとかバラバラにしたとかではなく、その執念みたいな物がとても怖かった。 きっと目が見えるようになって彼氏の所へ行けるようになったのだろう。その手伝いを私はしてしまったのではないかと思うと本当に怖かった。
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