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だけど見知らぬ彼は後ろについてくるあたしの気持ちなんて知らずに、焦っている声を上げながら訊ねる。
「オイッ！何で逃げたりすんだよ！？」
あたしの背後から大声が聞こえるが、もちろん。
「……教えない」
教えるわけがない。
「なんで！？俺が助けたんだから、それぐらいしてくれてもいいだろ？」
「……」
その焦り声をだす彼だが、あたしはそんな「最低男」をほっといて前に足を進めて歩く。
だがそんな光景をみて皆はこの行動に「どうしたの！？」と騒いでいた声が更に大きく聞こえたかのように煩くする。
「なんであいつが櫂琉くんのこと…」
「意味分かんないけど」
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