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少女の悲運は、彼女が醜く産まれなかったことにある。
天の河がきらめくような銀の髪と、同じく銀の睫毛に縁取られたエメラルドの瞳ーーー
ここまで描写するだけでも少女の美しさが想像できよう。
少女は、父親が亡くなると同時に私娼館に売り飛ばされてしまった。
理由はいくらでも想像できた。
口減しをするため。金貨が必要だったため。
父親に可愛がられていた少女を母親が気に入らなかったため。
決して裕福でない家庭だったので、このようなこともあるだろうと予想できぬほど少女は世間知らずではなかった。
だが、重苦しいカーテンに閉ざされた部屋で、毒々しい紫色のドレスから白い肉をはみ出させた女主人と、少女の”教育係”に対峙した時は、流石に震えが止まらなかった。
自分が悲劇の主人公として舞台に上がるのではなく、郊外の娼館の娼婦に堕ちるのだということを、ようやく理解できたのである。
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