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「はあああ!?あ、あの櫂琉くんが?」
甘いようなにおいが教室に漂う中、花弁が一瞬で散った声が響き、ヒラヒラと花弁がすらっと消えてしまうような大声を放ったのは。
自分の教室である、〝1―3〟の中にいる凛とした誰かの声。
「…え、あの櫂琉くん!?の彼があんたにキスをされたぁああああ!?」
「うっ、声でかいよ~!」
そう彼女、椎羅裕未(しいらゆみ)。その幼い頃の親友の彼女はあたしの話を聞き、叫ぶ。
煩い声が耳に届いたあたしは〝うるさい〟と注意するように、しーっと静かにさせろと人差し指を立てながら唇当てる。
友達が叫んでいるかと言うと、
あのこと(朝での事)を話したから、だ
どうやら彼のことを〝不良〟なんじゃないかというふうに言い始めるあたしに、
可笑しいと騒ぎ声になったってわけで。
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