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〝彼はモデル〟とか〝優等生でもある〟とか
〝でも、たまに喧嘩をする〟とか、
みたいなそんな事はちらちら風の噂で聞いたけど。
やっぱりキスする理由がわからないまま、そんなあたしは話を続けた。
「じゃあ…一体何の理由でキスを？ソイツがキスしたんだよ！？どうみたって遊びって思う…けど」
庵みたいなあんな態度をしている彼が本当によくわからなかった。
好きになったらあーなるのかな？なんて思ったけれど逆効果に笑うし、キスなんて平気に奪っちゃうし。
あたしからすれば絶対好きにならなきゃいけないわけで。
「…ったく、これだから！」
そんなもがきながら悩んで打ち明けるあたしに裕未は、溜息をはいて。
いつもなら〝馬鹿だねー〟なんて笑うのに。
それもない教室の風景が途端に―視界を真っ暗にさせ、あたしの口を強引に手で押さえた。
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