49人が本棚に入れています
本棚に追加
「怪しいやつじゃないから安心しなよ」
「・・・一応聞く」
「3食飯付きで自分の部屋もあるし、館内は出入り自由。どうよ?」
「・・・はい?」
急な怪しさ満点の提案に若干引く。いや、内容的には嬉しいよ?けど、おいしい話には裏があるって言うじゃん?
「因みに俺さ、魔王様の側近なんだ」
「はっ?魔王?魔王って、あの・・・・・・?」
2度の衝撃的な内容に理解が追いつかないし混乱する。というかこの世界って魔王いるの?ファンタジーにはありがちだけど、この世界にもいるのにはビックリした。
「で!今、魔王様を守る人が不足してんの?どうどう?」
「いや、どうって言われても・・・まず頭が追いついてない」
「家は魔王様の館、部屋も与えられるし食事もある。あんたには良い条件だろ」
いやまあ確かに良い条件だけど・・・・・・。チラッと男性を見る。分かってるよな、みたいな顔で私を見ないでくれ。
「はぁ・・・どうせ駄目って言ったところで引き下がらなそうだし、私も野宿生活には飽きてたから・・・その仕事、引き受ける」
「当たり前だろ、なんの為に俺が半年もあんたを見てたと思ってんだ」
さらっと言うセリフにキュン・・・とはならないな。シチュエーションが違えば良いセリフなのになぁ。
「じゃあ行くぞ」
急に握られた右手に男性の顔を見る。すると視界がぶれ景色が一変した。
最初のコメントを投稿しよう!