episode1. 迷いの森

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「怪しいやつじゃないから安心しなよ」 「・・・一応聞く」 「3食飯付きで自分の部屋もあるし、館内は出入り自由。どうよ?」 「・・・はい?」  急な怪しさ満点の提案に若干引く。いや、内容的には嬉しいよ?けど、おいしい話には裏があるって言うじゃん? 「因みに俺さ、魔王様の側近なんだ」 「はっ?魔王?魔王って、あの・・・・・・?」  2度の衝撃的な内容に理解が追いつかないし混乱する。というかこの世界って魔王いるの?ファンタジーにはありがちだけど、この世界にもいるのにはビックリした。 「で!今、魔王様を守る人が不足してんの?どうどう?」 「いや、どうって言われても・・・まず頭が追いついてない」 「家は魔王様の館、部屋も与えられるし食事もある。あんたには良い条件だろ」  いやまあ確かに良い条件だけど・・・・・・。チラッと男性を見る。分かってるよな、みたいな顔で私を見ないでくれ。 「はぁ・・・どうせ駄目って言ったところで引き下がらなそうだし、私も野宿生活には飽きてたから・・・その仕事、引き受ける」 「当たり前だろ、なんの為に俺が半年もあんたを見てたと思ってんだ」  さらっと言うセリフにキュン・・・とはならないな。シチュエーションが違えば良いセリフなのになぁ。 「じゃあ行くぞ」  急に握られた右手に男性の顔を見る。すると視界がぶれ景色が一変した。
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