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「……………」
突然土方さんと2人になり、部屋に沈黙が落ちる。
「んで?話ってのは何だ?」
(……やっぱり顔を合わせてくれない。)
ぶっきらぼうに言われ、不機嫌なのが感じられる。
「………」
「ハァ…」
私が何も言わないのに痺れを切らしたのか土方さんから溜め息が聞こえる。
「…何もねぇなら帰るぞ。」
「あっっ…」
立ち上がろうとする土方さんの裾を咄嗟に掴む。
「ま、待ってください。ひ、土方さんは私の顔を見たくないほど怒ってるんですか?」
「はっっ??」
私の言葉に虚を突かれた顔になる。
「何でそう思う?」
「だって、屯所にいて話しかけようとしても私のこと避けてるみたいだし、きょ、今日だって私がいるって分かって不機嫌そうだし、その……」
「あ~~~、くそ!」
言い終わる前に土方さんは頭をガシガシ掻きながら言いにくそうに口を開く。
「別にお前のことを避けてた訳じゃねぇ。ただ、その何だ。照れくさかっただけだ。」
「へっっ?」
(照れくさい?ど、どういう事?)
土方さんの言葉が良く理解出来なかった。
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