第10章

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ドサッッ 敷きっぱなしの土方さんの布団に下ろされる。 「何するんですか?」 「あ?何って眠れねぇお前に俺の布団を貸してやろうってだけだよ。なんだ?添い寝がほしいならしてやろうか?」 そう言って布団の上に来ようとするのを必死で止める。 「じ、冗談は止めて下さい!分かりましたから!」 ニヤッと笑った後、何やら取りに行ったと思ったらズイッと目の前に差し出してきた。 「飲め。」 「何?って、これお酒じゃないですか!」 手にした物からお酒の独特の匂いがしている。 (今さっき永倉さん達に酒を飲むなって怒ったばっかしなのに…。っていうか、私未成年。) なんとか逃れる術はないかと考えたけど、土方さんの無言の圧力が凄くて飲むという選択肢しかない雰囲気。 (えぇい!!) 勢いよく喉に流し込むと飲んだ瞬間喉がカァッと熱くなった。 (き、きつっっ!) 「おぉ、いい飲みっぷりじゃねぇか。もっといるか?」 「要りませんよ!飲んだんだからもういいですよね?」 器を返したら満足そうな顔をし、私に背を向けて文机へと向かっていく。 (もう、一体何なんだか。) 土方さんのやることに疑問を持ちながら横になる。その途端、お酒のせいか、疲れのせいか、頭がフラフラしてきた。 (もういいや。ちょっとだけ休ませてもらったら自分の部屋に戻ろう。) そう思った時には意識を手放していた。
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