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この瞬間。私の中で何かが壊れた。そして、泣いてしまった。
この家から出ていかなければ、もう無理だと思い、外に向かった。すると、母は私を止め、家に連れ戻す。抗う気力も無くなり、家に戻った。涙が溢れ、落ち着くのには長い時間を要した。落ち着くまで母は、
「ごめん。○○(私の名前)の気持ち考えてかなったよね。ごめんね」
と、繰返し伝えてくる。
俺が言いたいのは何故怒られねばならないのか。何故、この疲れているときにそちらの要望を押し付けてくるのか。
家族とは、一体なのんなのか。
母の言葉は胸に届かず、ぐるぐると考えが回る。
すると、結論は出た。
何故私が怒られねばならなかったのか。それは、私の親が車で故郷まで連れてきてくださった親に会って礼を伝えることが出来なかったから。
それはつまり、親としての礼儀を通せなかったから。
だから、怒っていたのだ。
私が出した結論は、後に聞かされた母の話と違わず、やはり、そういうことだった。
私は思った。
瓦礫に潰されて、一歩でも間違えてれば死んでいた息子に対して、帰ってきて早々に怒るとは、それも、怒る内容が自身が礼儀を通せなかったからというのは、親としてどうなのかと。
この考え事態はまさく私の甘えでしかないのは解る。
死にそうだったからってそれがなんだ。
結局は生きてるのではないか。十八才の男が何を甘えた事を言っているんだ。
そのお通りだと思う。
だが、私はクズだ。ゴミだ。
主観的にそつ結論付けることはできなかった。
私が今回の震災で失ったものは多くある。本当に、数えきれないぐらいに。
だが、何よりも失ったのものは、
『家族の縁』
だと思う。
幼稚な考えしか出来ない私。されど、それが私なのだ。
結果として、私は『母』を『母』と思うことは二度と出来ない。『姉』を、『姉』と思うことは二度と出来ない。
だからこそ思う。
震災から生きて帰ってきた家族にはまず、優しく、『よく帰ってきた』と、言ってあげてほしい。けっして、怒鳴り散らすのはやめてあげてほしい。
以上で話を終える。
ここまで見てくれてありがとう。
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