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ヘリというのは、車とはまた違った酔いがあり、三十分もすればよってきた。だが、吐くまではなく、避難先へたどり着いた。
いや、正確には、『避難先へ行くための経由地点にたどり着いた』だ。
そこで十分ほど待機していると、バスが到着し、避難所へ行くととなった。
ここで私は三度目の恐怖を味わった。
バスが向かっていた避難所は本来行くはずだった場所ではなかったのだ。
先に来ているはずの某大学生徒達はおらず、一緒に運ばれてきた十数名と共に絶望した。いや、絶望してはいなかったと思う。
きさくな先輩達がパズ○ラで有名なマックスむ○いのネタ等で笑わせてくれ、精神的には落ち着つくことができた。本当に感謝している。
ああ、そうだ。
忘れていたが、電気、水道、電波はなかった。
しかし、あのCMでキノコをメインキャラクターにしてる某会社の携帯だけは通じていた。凄い。あのキノコ凄い。
一緒に運ばれてきた十数名の内に一人だけ、あのキノコの某会社の携帯を持っていた。これが、唯一の救いだった。
もし、誰もあの携帯会社の携帯を持っていなければ、本当に危なかっただろう。
某大学へ問い合わせてみれば、やはり、予定した場所とは違う場所に運ばれていたらしい。そして、迎えの車を三台送るとのことで、私たちは九死に一生を得た。
私達は本来向かうはずだった避難先に今度こそ向かい、数百名の避難民と合流を果たした。到着したのは夜であったため、そのまま床についた。
朝を迎え、誘導に従い、点呼を行った。
朝方の内に数名、古郷へ帰るとのことで、親御さんが迎いにこられていた。そして、昼過ぎには半数がいなくなっていた。
私の両親は離婚して、母方についていったため、車は無い。母は車の免許は持っているものの、所謂「ペーパードライバー」というものだった。そのため、迎いには一切期待せず、どう過ごすか悩んでいた時に、同じ寮に住んでいた先輩から声がかかった。
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