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先輩の親御さんの車に乗せてもらい、無事に古郷に帰ることが出来、家へ向かった。
車の中である程度熊本から離れると、電波が戻り、親へ連絡、そして現状報告した。
張りつめていた緊張が緩んだこともあってか、睡魔が襲い、意識があやふやな状態でライ○で親と連絡をとった。その際、
『送ってくださっている先輩の親御さん達にお礼をしたいから、此方につく時間帯と場所を教えてほしい』
という主旨の内容が飛んできた。しかし、私はそれをしっかりとは見ておらず、睡魔に負けて、古郷につくまで眠っていた。
先輩の親御さんにお礼を言い、私の親から礼を言いたいと言っていると伝えると、
「いいの、いいの。こんな時でしょう。助け合ってかないとね。また私の息子が困ってたら助けてあげてね。じゃ、気をつけて」
と、私に伝えて、去っていった。
古郷につき、倦怠感や疲労が私を襲うが、なんとか電車やバスを乗り継ぎして、自宅へたどり着いた。
母とある程度の会話を済ませ、一度寝ようと思った時だ。
「先輩の親御さんに礼を言いたいから電話させて」
確かに。結局はしっかりと礼を伝えることなく終わっていたため、電話をかけさせてもらい、お礼を再度伝えた。
その後、高校時代の先生や、友人からきた連絡を折り返して返し、今度こそ寝ようと思った時だ。
姉から電話が掛かってきた。
ああ、電話をかけるのを忘れていたな。
電話に出て、生きている、古郷に帰ることができたよ。と、伝えると、姉は怒っていた。
「ねぇ、なんでお母さんから怒られたか解る?」
「は?」
「なに、なめてんの?」
意味がわからなかった。そもそも、怒られていないうえに、何も怒られる事をした覚えがなかった。ただ、命からがら古郷に帰ってきただけだ。
きっと、姉は何か勘違いしているのだと思った。
私は母に聞いた。
「お母さん、なんかお姉さんが言ってるんだけど」
「あっ、違うの。アンタ、ライ○みてないでしょ。この事を言ってるの」
母はタブレットを開き、車の中でみたあの文面を見せつけてくる。
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