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ああ、あのときは余りの疲れに眠っていて忘れていたやつか。
そう思い、返事を返さなかった事を怒っていると答えを出した。
「あ、お姉ちゃん? ごめんごめん」
「は? なに? お前本当にふざけんの?」
謝っているのに、また、ふざけているのかと言われる。
正直、あの生死を分ける場所から帰還した直後に突如、怒られとは思っておらず、精神的にも、肉体的にも参っていた。
とりあえず、寝たい。休みたい。
いまだに熊本で生き残るべく動いている方々に大変失礼だが、そう思っていた。
そして私は、言葉を発する気力も無くなり、無言で電話を切った。
後でちゃんと謝ろう。そう思って寝床にいこうとすると、
「ちょ、駄目だよ!なにやってんの!? お姉ちゃんの話をちゃんも聞きなさい!!」
母から止められ、またもや怒鳴れる。
母は再度姉にかけ直した。
私の態度が悪い。いきなり切るとは何様だ。そういった文句を姉は母に伝え、母はそうだよね。全部○○(私の名前)が悪い。
と、返すのが聞こえた。
なんなんだよ。こっちは疲れてるんだ。頼むからもう止めてくれ。
十八才のもう大人と言っていい年頃の男が、泣きそうになった。
もう、無視して寝よう。明日から少しでも熊本の情報を集めて伝えないと。
そう思って母の横を通り過ぎようとすると、
「○○(私の名前)!お姉ちゃんに謝りなさい!ほら!」
なんて、言ってくる。
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