私の体験談

9/10
前へ
/10ページ
次へ
 ああ、あのときは余りの疲れに眠っていて忘れていたやつか。  そう思い、返事を返さなかった事を怒っていると答えを出した。   「あ、お姉ちゃん? ごめんごめん」 「は? なに? お前本当にふざけんの?」  謝っているのに、また、ふざけているのかと言われる。  正直、あの生死を分ける場所から帰還した直後に突如、怒られとは思っておらず、精神的にも、肉体的にも参っていた。    とりあえず、寝たい。休みたい。 いまだに熊本で生き残るべく動いている方々に大変失礼だが、そう思っていた。  そして私は、言葉を発する気力も無くなり、無言で電話を切った。  後でちゃんと謝ろう。そう思って寝床にいこうとすると、 「ちょ、駄目だよ!なにやってんの!? お姉ちゃんの話をちゃんも聞きなさい!!」  母から止められ、またもや怒鳴れる。  母は再度姉にかけ直した。 私の態度が悪い。いきなり切るとは何様だ。そういった文句を姉は母に伝え、母はそうだよね。全部○○(私の名前)が悪い。 と、返すのが聞こえた。  なんなんだよ。こっちは疲れてるんだ。頼むからもう止めてくれ。  十八才のもう大人と言っていい年頃の男が、泣きそうになった。    もう、無視して寝よう。明日から少しでも熊本の情報を集めて伝えないと。 そう思って母の横を通り過ぎようとすると、 「○○(私の名前)!お姉ちゃんに謝りなさい!ほら!」 なんて、言ってくる。  
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加