第1章 

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『ねぇ、ママ・・・』 『もう!!なんなの!?あっちに行ってて!!』 目の前には結羽と外の景色が広がっているのに、私の眼には幼い頃の記憶が広がる。 グッと腕を掴まれた感触で我に返ると、今度は心配そうな顔をした結羽が 私の目の間に居た。 「あっ・・・ごめん。またボッ~っとしてた・・・」 「大丈夫?今日、体調悪いの?」 「大丈夫。本当に。」 「だったら、いいけど・・・玲花、今日飲みに行く?」 結羽は、私が弱っている時こうやって飲みに誘ってくれる。 すごく元気な姉御肌タイプの彼女は、色んな事に気がつくから 会社の後輩たちから、とても慕われている。 頼りになる同期で、いつでも私を支えてくれる優しい親友なんだ。 ・・・だけど・・・ 「ごめん・・・今日は早く帰って寝るよ」 少し元気に笑って見せる。 『元気ないのは、今日見た夢のせいだから』これは心に留めたまま。 「わかった。じゃ~今度の飲み会は合コンだから!玲花は強制参加だから!」
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